シミ抜きを本格的に始めたキッカケってありますか? |
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そうですね、本格的にシミ抜きを始めたキッカケは「見返してやろう!」って思いからでした。
今から10年以上も前、大手のクリーニング工場を見学した時、そこの社長さんに「シミ抜きみたいな、儲からないことに一生懸命しても、それは馬鹿なだけですよ」と言われ悔しい思いをしたことです。自分が一生懸命やろうとしてることを馬鹿扱いされた悔しさ・・・
今から思えばこれが全てのキッカケだと思います。 |
ほんとうにそれがキッカケだったんですか? |
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はい、本当です。クリーニングとは「原型に近づけること」だと言う認識を持ち始めた時期でもあり、シミをキレイにとってあげることこそ、喜ばれることだと信じていたので、「シミ抜き」を馬鹿扱いされたことが悔しかったですね。
だから絶対に見返してやろう!って、だから本当にコレがキッカケだと思います。
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なるほど!そして具体的にどう変わったことと言えば? |
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そうですね、あの社長の言葉をキッカケに奮起し、シミ抜きの本や薬品を買いあさり、シミ抜き教室にも通いました。当初は色を抜いてしまったり、ラメを消したり、生地を溶かしたという失敗もありましたが、本格的にシミ抜きを勉強して5年位たった頃から、周りの評価が変わって来てる事に気付きました。
今ではあの時に言われた、あの社長の言葉に大変感謝しています。 |
遠方からのお客様が多いと聞きましたが? |
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本当に多いですよ。シミ抜きの技術をインターネットに公開してから福岡にある私の店まで「東京」「名古屋」「大阪」といった遠方から、宅配便で送られて来ることもありますし、車では、「佐賀」「大分」「広島」などから3時間以上かけてこられることもあります。
一番驚いたのは、「京都府」から新幹線で来られたときですかね。(笑)
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えぇ?新幹線で来たお客さんまで?? |
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はい。私も知った時は驚いたのですが、確か・・・濃い茶色のシルクのパンツにシミがついたので、自分でしみ抜きしたら白けたから直してほしい、というものでした。さすがに京都から新幹線に乗って来られたお客様に関しては、一生忘れることがないと思います。
あと・・・、他にもどうしても忘れられないお客様がいてるんですよ。それは私にとってとても感動的な思い出なんですが、少し話しても良いですか? |
実体験の感動話ですね。是非、聞かせて下さい♪ |
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確か今から5年ほど前のこと、50歳くらいのご婦人が「たった1回着用できればよいので、お願いしたいのですが・・・・」と来店されたことがあり、
話をよくよく聞いてみると、30年ほど前に着用した振袖の着物を、今度は娘さんの成人式に着させてあげたいとの依頼でした。
しかしよく見るとカビのシミが50ヶ所以上もあり・・・手を付けられないような状態で、実際、どこのクリーニング店にも断られたそうなんです。
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着物で50ヶ所以上もシミがあったんですか!? |
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はい、これは途方も無い依頼だと思いましたが(笑) お客様の熱意に負けて「なんとかします」と依頼を受けることにしたんですが、さすがに大変でした。
そして2ヵ月後、シミ抜きを終えてお客様に確認してもらったら、「こんなにキレイになるなんて!」と涙をこぼして喜んで頂き・・・ この瞬間、心の底から「あぁ〜この仕事に就いて良かった」と思いましたね。 |
良いお話ですね♪ ところで神林さんが大切にしてることは? |
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アンテナを高くすることを大切にしています。つまり薬品や染料や機械などあらゆることにアンテナを張り、ファッション、シミ抜き、クリーニングを常にリンク出来るようにイメージしています。確か・・「JM」という映画のなかにキアヌリーブスが「帝国ホテルのランドリーのように綺麗にしろ」とアドリブで言ったセリフがあるんですが、その帝国ホテルのベテランの方が「腰は低く、アンテナは高く」と言う言葉を使ってますよね。私もその言葉を大切にしてるんです。 |
最後に、神林さんの日常を教えてもらえませんか♪ |
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そうですね・・・休みの日は、今は子供と一緒に家族で公園行ったり、読書をしたり、家でヨガしています。
出来る限り子供といる時間を大切にし、なるべく子供のそばで行動しています。シミ抜きなど特に仕事に入り込んで集中しなくてはいけないので、やっぱり家族と一緒に過ごす時間は心が和みますし、励みになりますので私にとって大切な時間です。 |